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うちに相続税はかかる?——基礎控除の仕組みと判断のポイント

うちに相続税はかかる?——基礎控除の仕組みと判断のポイント

「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。

蟹江町の相続相談会をやっていると、毎回いちばん多く出るのがこの質問です。

「うちって、相続税かかるんですか?」

それだけ、みなさん気にされているということですね。だからこそ、最初に正直にお伝えしておきます。私は司法書士であって、税理士ではありません。 相続税の具体的な計算や、個別のご家庭の税務判断は、税理士の専門領域です。ですから、この記事でできるのは「一般的な、ちょっと浅めの案内」までです。ごめんなさい。

それでも、「そもそも相続税ってどういう仕組みで決まるのか」「うちはかかりそうか、かからなそうか」を自分でざっくり当たりをつけることはできます。そのうえで、「これは税理士さんに見てもらった方がいいな」という案件は、当事務所から提携税理士へお繋ぎします。まずは参考に、読んでみてください。


目次

  • 相続税って、そもそもどんな税金?
  • 「10ヶ月以内」を過ぎたら相続税はどうなる?
  • 基礎控除って何?——「3,000万円+600万円×人数」の意味
  • 生命保険・死亡退職金にも非課税枠がある
  • まず司法書士に来て、必要なら税理士へ繋ぐのが合理的な理由

相続税って、そもそもどんな税金?

相続税は、亡くなった方が残した財産が一定の額を超えたときにかかる税金です。逆に言えば、一定額までならかかりません。

そして、その「一定額」を超えるご家庭は、実は多数派ではありません。

国税庁の発表によると、令和4年分で相続税の課税対象となったのは、亡くなった方全体の9.6%でした(過去最高の割合です)。つまり、10人のうち9人は相続税がかかっていないということです。

私、尾張のところへご相談に来られる方でも、

「畑も家もあるもんで、うちは間違いなくかかるだろ」

とおっしゃっていた方が、いざ計算してみると対象外だった——というケースは本当によくあります。蟹江町は農地や自宅をお持ちのご家庭が多いので、「不動産がある=相続税がかかる」と思い込んでいる方が多いんです。でも、必ずしもそうではありません。


「10ヶ月以内」を過ぎたら相続税はどうなる?

相続税には申告と納税の期限があります。

相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

この10ヶ月、意外と短いです。四十九日が終わって、戸籍を集めて、遺産分割をして……とやっていると、あっという間に過ぎます。

では、何年も前に亡くなった親御さんの手続きを、いまから始める場合はどうでしょう。

「相続登記をずっと放置してたけど、そろそろやらないと」とご相談に来られた方から、「ところで相続税っていくら払うんですか?」と聞かれることがあります。

このとき、そもそも基礎控除を超えていなければ相続税はかかりませんし、仮に対象だったとしても、申告すべき税金には時効(正確には「除斥期間」といいます)があります。

税務署が課税処分をできる期間は、原則5年です。財産を隠すなどの不正があった場合は7年に延びます(国税通則法第70条)。

ですから、何年も前の相続で、もともと基礎控除の範囲内のご家庭であれば、相続税の心配はまずいりません。「登記を放置していたら相続税で大変なことになるのでは」と不安に思っている方がいますが、相続税と相続登記はまったく別の話です。登記の放置についてはおじいちゃんの代の登記、何十年も放置してたけど大丈夫?をご覧ください。

ただし、基礎控除を超えていそうな場合は、期限の問題が出てきます。ここは早めに税理士へ繋ぎます。


基礎控除って何?——「3,000万円+600万円×人数」の意味

相続税がかかるかどうかを分ける、いちばん大事な数字が「基礎控除」です。これは、無条件で差し引ける枠のことです。

計算式はシンプルです。

基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

たとえば、お父さんが亡くなって、奥様(お母さん)と子ども2人が残されたとします。法定相続人は3人です。

3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円

相続財産の合計がこの4,800万円を下回れば、相続税はかかりません。申告も不要です。

蟹江町の標準的なご家庭——自宅と、預貯金が2,000万円ほど——というケースだと、この基礎控除の中に収まることが多いです。

では、どんなご家庭がかかるのか。ざっくり言えば、自宅以外にも複数の土地を持っている、預貯金や有価証券が多いといったご家庭です。「自分はどっちだろう?」と気になったら、まず財産をざっと書き出して、合計が基礎控除を超えそうかどうかを見てみてください。

ちなみに、土地をいくらと評価するか——ここが相続税の計算でいちばんややこしいところです。固定資産税の通知書に書いてある金額とは違う「路線価」という別の評価を使います。なお、固定資産税の評価額そのものを確認したいときは、蟹江町役場 税務課で名寄帳や評価証明書を取れます。ただ、相続税の計算に使う路線価とは別物ですのでご注意ください。この評価の話は長くなるので、別の記事で詳しくご説明します。


生命保険・死亡退職金にも非課税枠がある

意外と知られていないのですが、生命保険の死亡保険金死亡退職金には、相続税の別枠の非課税枠があります。

非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

(生命保険:相続税法第12条第1項第5号/死亡退職金:同項第6号)

先ほどの例(法定相続人3人)なら、それぞれ1,500万円まで非課税です。

つまり、基礎控除4,800万円に加えて、生命保険で1,500万円を受け取っていれば、その1,500万円も課税の対象から外れます。条件次第では、合計6,300万円ほどまでは相続税がかからない、という計算になるご家庭もあります。

ただし、これはあくまで「生命保険を非課税枠いっぱいの1,500万円分受け取っていた場合」の一例です。保険に入っていなければこの枠は使えませんし、受取人の設定によっても変わります。「うちは6,300万円まで無税だ」と単純に当てはめないようご注意ください。

生命保険は、生前の相続対策として活用される方も多いです。ただし「受取人を誰にするか」で結果が変わりますし、対策として使うなら税理士と一緒に設計するのが安心です。生命保険そのものの扱いについては生命保険金と相続——遺産分割の対象になる?放棄したら受け取れない?で詳しく解説しています。


まず司法書士に来て、必要なら税理士へ繋ぐのが合理的な理由

「相続税のことだから、まず税理士さんに行くべき?」と思われるかもしれません。でも、私はこう考えています。

税理士事務所へ行って「基礎控除内なので相続税はかかりませんよ」と言われた——それはそれで安心なのですが、じゃあ相続登記や預金の解約はどこでやるの? という肝心の手続きが宙に浮いてしまうことがあります。

その点、まず司法書士のところへ来ていただければ、

  • 財産をざっと整理して、基礎控除を超えそうか・超えなさそうか・微妙かの当たりをつける
  • 「かからなそう」なら、そのまま相続登記・預金解約などの手続きへ
  • 「かかりそう」「微妙」なら、提携の税理士へお繋ぎして、登記と税務を一緒に進める

という流れが取れます。手続きの入り口として、ワンストップで動けるわけです。

繰り返しになりますが、詳細な税額計算や申告書の作成は、税理士の業務です。私がやるのは、その手前の「振り分け」と、登記・名義変更などの手続きです。登記は尾張が。税金は税理士が。 役割を分けつつ、連携してお手伝いします。

「うちは相続税かかるのかな」と気になったら、その段階でかまいません。一度、声をかけてください。


相続をおわりに。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

📞 電話:0120-542-184(平日9:00〜18:00)
📱 LINE:こちら(24時間受付・相談無料)
📧 メール:owari@shihouseto.com

蟹江町で相続のことなら、蟹江町在住司法書士の私、尾張がすぐに対応いたします。


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参考


【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業ではない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。

最終更新:2026年6月2日

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