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故人のサブスク・SNS・スマホはどうする?——解約と整理の手引き

故人のサブスク・SNS・スマホはどうする?——解約と整理の手引き

故人のサブスク・SNS・スマホはどうする?——解約と整理の手引き

「親のスマホ、パスワードが分からなくて開けられない。中のアプリやアカウント、どうすればいいの…」

蟹江町でも、こうしたご相談が増えてきました。デジタル遺産って何が相続できる?では、残高・口座・暗号資産といった“財産的価値があるもの”の相続をまとめました。この記事はその反対側——お金にはならないけれど、契約やアカウントが残ったままになるもの、つまりサブスク・SNS・メール・スマホの片付け方です。

「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。

先に結論を2つ。スマホが開けなくても大丈夫です。そして、全部を完璧に消す必要もありません。大事なのは「どれを急いで止めて、どれを消すか」の順番だけ。そこを整理します。

この記事でわかること

  • スマホやメールが開けなくても困らない理由
  • 放置すると何が困るのか(課金・乗っ取り・個人情報)と、片付ける優先順位
  • サブスク(料金がかかるもの)の止め方と、契約の見つけ方
  • 残ったアカウントを「残す/消す/追悼」にする判断と、各社の窓口
  • 元気なうちにできる備え

まず安心を——スマホもメールも、開けなくていい

「スマホが開けない」「メールにログインできない」というご相談をよくいただきます。でも、安心してください。故人のスマホやアカウントを開けなくても、片付けは進みます。

そもそも相続の手続きは、相続人の立場で各社に戸籍などを示して正規に進めるもの。故人になりすましてログインする必要はありません。むしろ、たとえパスワードが分かっていても、勝手にログインしないでください。 本人以外のログインは各社の規約で禁止されていて、無断のログインは不正アクセス禁止法(第3条)に触れるおそれもあります。脅しではなく、「そもそもやる必要がない」というだけの話です。

預金や証券などの“お金の手続き”は親記事(デジタル遺産の相続)に譲って、この記事では「サブスク」と「アカウント」の片付けに絞ります。

放置すると何が困る?——片付ける3つの理由と優先順位

「残すも消すも自由」と言われても、判断できないですよね。そこで先に、“放置すると何が困るのか”を押さえます。ここが分かると、手をつける順番が一気にはっきりします。尾張がご相談を受けるときも、まずこの仕分けから入ります。

  • ① お金が出ていく:サブスクは、解約するまで料金が引き落とされ続けます。
  • ② 乗っ取り・なりすまし:放置されたSNSやメールは、第三者に乗っ取られ、故人を装った投稿や詐欺、ご友人への被害に悪用されることがあります。
  • ③ 個人情報・思い出が宙ぶらりん:クラウドの写真やSNSが残り続けます。誕生日の通知が来てご遺族がつらい、ということも(SNSの“追悼”機能は、まさにこのためにあります)。

この3つで、優先順位はこう決まります。

種類 どう困る だからどうする 急ぎ度
お金がかかるもの(サブスク) 課金が続く 最優先で解約 ★★★
乗っ取り・個人情報リスクがあるもの(SNS・メール・ショッピング) 悪用・情報流出 消す/追悼を検討 ★★
無料で実害がないもの(その他アカウント) ほぼ無し 急がない(残すのも自由)

以下、この順に見ていきます。

① お金がかかるもの=最優先で解約(サブスク)

迷う前に、まず「課金が続くもの」を止める。 ここだけは時間が損につながります。

サブスク(動画・音楽・クラウド・新聞・アプリ課金など)は、解約するまで料金がかかり続けます。だから“残す”選択肢はなく、解約一択。順番だけ注意してください。先に解約しておくとラクで、逆に先に銀行口座を凍結すると、引き落としが未払いとして残って面倒——その程度の話です。

問題は「何を契約していたか」が分からないこと。でも、ここでもスマホを開ける必要はありません。お金の流れから辿れます。

  • クレジットカードの明細・銀行口座の引き落とし:毎月・毎年くり返し引き落とされている項目が、そのままサブスクの一覧になります。これがいちばん確実です
  • 故人宛てに届くメール・郵便(領収書・更新のお知らせ)
  • (もし家族がロックを解除できる端末なら、ついでに)iPhoneは「設定→名前→サブスクリプション」、Androidは「Google Play→お支払いと定期購入」にアプリ課金がまとまっています。ただし開けなくても、上のカード明細から止められます

主な直接契約サービスの解約窓口は次のとおりです。

サービス 解約の窓口
Apple(App Store経由の課金) 設定→サブスクリプション、またはaccount.apple.comAppleサポート
Netflix netflix.com/cancelplan故人の会員の解約案内・電話0120-996-012)
Amazonプライム プライム会員情報ページ
Spotify spotify.com/jp/account → 定期購入を解約
Microsoft 365/Adobe ほか 各サービスのアカウントページから

※ドコモ・au・ソフトバンクなど携帯会社経由で契約したサブスクは、各キャリアの窓口から解約します。全部は載せきれないので、まずはカード明細・メールから「何に入っていたか」を洗い出すのが先決です。

② 乗っ取り・個人情報リスク=「消す/追悼」を検討(SNS・メール・ショッピング)

個人情報やなりすましの火種になるものは、残すより“消す・追悼にする”が無難。 思い出として残したいものだけ、意識して残す。

ここは料金こそかかりませんが、放置のリスクがあるグループです。とくにSNSやメールは、乗っ取られると故人を装った被害につながりかねません。クレジットカードを登録したショッピング系(Amazon等)も、情報が残ったままは避けたいところ。残すか・消すか・追悼にするかを、近親者が各社の窓口へ申請します(多くは死亡証明が必要)。

サービス できること 窓口
Google(Gmail/YouTube含む) 閉鎖・データのリクエスト 故人のアカウントに関するリクエスト
Apple ID(iCloud) 故人アカウントのアクセス・閉鎖 Appleの案内
Amazonアカウント アカウント閉鎖 ご遺族からのお問い合わせ
Facebook・Instagram 追悼アカウント化、または削除 追悼/削除リクエスト
X(旧Twitter) 追悼機能なし。削除のみ 故人アカウントの窓口
LINE 引き継ぎ不可。削除のみ 問い合わせフォーム
Yahoo! JAPAN ID 死亡専用の削除手続きは用意されていない(放置でも可。ただし有料サービス分は解約を) Yahoo!ヘルプから問い合わせ

そのほか、楽天会員・Microsoft・ゲーム(Nintendo/PlayStation/Steam)・ブログ(note/アメブロ等)・キャリアID(dアカウント/au ID等)も、同じように各社の窓口から閉鎖・削除できます。

判断に迷ったら「消す(または追悼)」を基本に。 残しておく積極的な理由(思い出として遺族で見守りたい等)があるものだけ、意識して残せば十分です。

③ 無料で実害がないもの=急がない(残すのも自由)

お金もリスクも無いものは、無理に消さなくてOK。 ほうっておけば自然に消えるものもあります。

料金がかからず、乗っ取りリスクも低いアカウントは、残しても消しても、どちらでもかまいません。慌てる必要はないグループです。

  • 急いで消さなくても大丈夫。たとえばGoogleは、個人アカウントが2年間使われないと自動で削除されます(Googleのポリシー)。放っておけば消えるものもあります。
  • ただし、Google AdSenseやYouTube、ブログ・フリマの売上など“収益”があるアカウントは話が別です。それは相続財産なので、親記事(受け取り前の報酬・売上の扱い)で確認してください。同じGoogleの故人リクエスト窓口を、その確認にも使えます。

元気なうちにできること

ご家族の手間をいちばん減らせるのは、実は本人の生前の準備です。難しいことはなく、3つだけ。

  • 使っているサービスをリスト化:パスワードは書かず、「何を使っているか」だけでも残しておくと、ご家族はぐっと楽になります。置き場所はエンディングノートが向いています。
  • 死後の設定をしておくGoogleのアカウント無効化管理ツールAppleの故人アカウント管理連絡先を設定すると、亡くなった後のデータの扱いや、誰がアクセスできるかを生前に決められます。
  • 解約・整理そのものを託す:おひとりさまなど、頼める家族がいない場合は、死後事務委任契約でアカウントの解約・整理を専門家に任せることもできます。

まとめ

  • スマホやメールが開けなくても大丈夫。なりすましログインはしない・する必要もない
  • 片付けの順番は「放置すると何が困るか」で決まる——①お金がかかる→最優先で解約/②乗っ取り・個人情報リスク→消す・追悼を検討/③無料で実害なし→急がない
  • サブスクは解約一択。カード明細・メールから洗い出す(スマホは開けなくてOK)
  • SNS・メールは乗っ取りの火種になりうる。迷ったら「消す・追悼」を基本に
  • 急がなくても自動で消えるものもある(Googleは2年)。収益アカウントだけは財産=親記事
  • 生前のリスト化・死後設定が、家族の手間をいちばん減らす

故人のアカウント整理は、種類が多くて窓口もバラバラ。「どれを残して、どれを消せばいいの」と迷ったら、まずは一度ご相談ください。煩雑な解約・整理は、死後事務委任として当事務所でお引き受けすることもできます。


相続をおわりに。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業では
ない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。

参考リンク(一次情報)

最終更新日:2026年6月23日

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