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相続人の一人が海外在住——手続きはできる?サイン証明書と進め方を解説

相続人の一人が海外在住——手続きはできる?サイン証明書と進め方を解説

相続人の一人が海外在住——手続きはできる?サイン証明書と進め方を解説

「相続人の一人がアメリカに住んでいるんですが、手続きできますか?」

「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。

結論から言うと、できます。ご安心ください。

海外在住の相続人がいても、相続手続きは進められます。変わるのは必要書類の一部だけで、手続きの本質は国内の相続とまったく変わりません。


目次

  1. 海外在住でも相続権は変わらない
  2. 手続きの流れも基本的に同じ
  3. 変わる点はここだけ——印鑑証明書が取れない
  4. 代わりに使うのが「サイン証明書(署名証明書)」
  5. 不動産の名義をもらう場合は「在留証明書」も必要
  6. 銀行・証券口座には別の注意がある
  7. サイン証明書は複数枚まとめて取っておく
  8. まとめ

海外在住でも相続権は変わらない

相続人が海外に住んでいても、相続権は日本にいる方と変わりません。

日本の民法は、法定相続人であれば居住地に関わらず相続権を持つと定めています。海外在住だからといって相続から外れることはありませんし、逆に外すこともできません。

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。これも変わりません。一人でも欠けた状態で作った遺産分割協議書は無効です。


手続きの流れも基本的に同じ

手続きの大きな流れは、国内の相続とまったく同じです。

  1. 戸籍を集めて法定相続人を確定する
  2. 相続人全員で遺産の分け方を話し合う
  3. 合意内容を遺産分割協議書にまとめる
  4. 各相続人が署名・押印(または署名・認証)する
  5. 各機関で名義変更・解約・払い戻しの手続きをする

戸籍は日本に残っていますので、法定相続人の確認は問題なく進められます。

海外在住の方には、メールやLINEで財産の内容と分け方をご確認いただきます。合意できたら遺産分割協議書をお送りします。書類はこちらで作りますので、内容を確認いただくだけで大丈夫です。


変わる点はここだけ——印鑑証明書が取れない

国内の相続では、遺産分割協議書に押印した実印の印鑑証明書が必要です。

ところが、日本の住民票を海外に転出している方(住民票を抜いた方)は、日本の市区町村で印鑑証明書を取ることができません。住民票も同様に出ません。

代わりに必要になるのが、サイン証明書(署名証明書)と、場合によって在留証明書です。


代わりに使うのが「サイン証明書(署名証明書)」

サイン証明書(正式名称:署名証明書)とは、「この書類にサインした本人に間違いありません」と在外公館(大使館・領事館)または日本の公証役場が証明する書類です。印鑑証明書と同じ効力を持ちます。

取得方法は2つ

① 在外公館(大使館・領事館)で取得する

お住まいの国の日本大使館または総領事館に予約の上、遺産分割協議書を持参してサインを行います。領事の目の前でサインすることで、証明書が発行されます。

重要な注意点:事前予約が必要です。
印鑑証明書のように窓口に行けばすぐもらえるものではありません。予約から取得まで、数週間かかることもあります。早めに動いていただくのがポイントです。

書類ができあがったら、日本へ郵送いただきます。国際郵便の往復で1〜2週間かかることを見込んでおいてください。

② 日本の公証役場で取得する(一時帰国時)

お葬式や法要で一時帰国される場合は、日本の公証役場で認証を受ける方法もあります。公証人の前でサインし、認証を受けることで、印鑑証明書と同等の効力が得られます。

一時帰国のタイミングが使えるなら、こちらの方がスムーズに進むことが多いです。私、尾張が担当したケースでも、帰国のタイミングに合わせて書類を段取りし、スムーズに手続きを完了させたことがあります。帰国の予定があればぜひ教えてください。

署名証明書には2種類ある——「組み込み型」が断然強い

署名証明書には組み込み型単独型があります。

種類 内容
組み込み型 遺産分割協議書と証明書を一体(合綴)にして「この書類にこの人がサインした」と証明
単独型 「この人のサインです」という証明書を別紙で発行

なぜ組み込み型が強いのか。

印鑑証明書の場合、実印の印影はいつ押しても同じです。遺産分割協議書の印影と照合すれば、確実に本人確認ができます。

ところが、サインは本人でも微妙にばらつきます。筆記具や筆記台の違いでも変わります。単独型の場合、「このサインはこの人のもの」という証明書があっても、遺産分割協議書のサインと完全に一致するかどうかは別の話です。受け取る側の役所や金融機関が「似ているが完全に同一とは判断しにくい」と躊躇してしまうことがあります。

組み込み型であれば、書類と証明書が一体になっているので、「この書類にサインした」という事実そのものを証明できます。 サインの一致を問いません。信頼性が格段に上がります。

委任状も合綴して取得する——ここが実務のポイント

遺産分割協議書だけでなく、「相続手続き・銀行手続きを司法書士に委任する」という委任状も一緒に合綴して、署名証明書を取得していただきます。

こうすることで、不動産登記・銀行・証券それぞれの手続きを司法書士が代理で進める際に、「このサインは本当に本人のものか」という問題が起きません。役所や金融機関が筆致の照合で躊躇する事態を、最初から防ぐことができます。

どの書類を合綴するか、何枚用意するか——この段取りはこちらで組みます。


不動産の名義をもらう場合は「在留証明書」も必要

不動産の相続登記では、名義を受け取る方の住所を証明する書類が必要です。国内在住であれば住民票がこれに当たりますが、海外在住の方は住民票が取れないため、在留証明書が必要になります。

在留証明書も在外公館(大使館・領事館)で取得します。サイン証明書と同時に申請できますので、まとめて準備しておくとスムーズです。

在留証明書・署名証明書の詳しい取得方法は、外務省および各在外公館のウェブサイトをご確認ください。取得の流れについて不明な点があれば、こちらで一緒に確認します。


銀行・証券口座には別の注意がある

不動産の相続登記については、法律のルールに従って手続きを進められます。

一方、銀行口座や証券口座については、マネーロンダリング対策の観点から、海外在住の相続人が絡むケースで独自のチェックが入る金融機関があります。

これは法律で決まっている手続きではなく、各金融機関の内部ルールによる部分が大きいです。同じ手続きでも、銀行によって求められる書類や対応が異なることがあります。

また、署名証明書の種類(組み込み型か単独型か)についても、金融機関によって求めてくる形式が異なる場合があります。先に述べた委任状の合綴を活用することで、この問題も事前に防ぐことができます。

金融機関ごとの確認・対応は、こちらで一緒に進めますのでご安心ください。


サイン証明書は複数枚まとめて取っておく

ここが実務上、とても大事なポイントです。必ずお伝えしています。

サイン証明書は1枚を使い回せるものではありません。不動産の登記・銀行A・銀行B・証券口座——それぞれの手続きに1枚ずつ使います。

1枚ずつ順番に取り寄せると、郵送往復のたびに2〜3週間かかり、手続き全体が何ヶ月にも延びてしまいます。

最初にまとめて複数枚取得しておくのが正解です。

たとえば不動産1件・銀行2行・証券1口座であれば、余裕を持って4〜5枚取得しておくことで、複数の手続きを並行して進められます。予約のときに「複数枚ほしい」と伝えれば対応してもらえます。

何枚必要かは財産の内容によって変わります。こちらで整理してご案内しますので、まずはご相談ください。


まとめ

  • 海外在住でも相続権は変わらない。遺産分割協議も全員参加が必要
  • 手続きの流れは国内と同じ。変わるのは必要書類の一部だけ
  • 印鑑証明書の代わりにサイン証明書(署名証明書)が必要
  • 取得先は在外公館(要予約・時間がかかる)または日本の公証役場(一時帰国時)
  • 不動産名義取得には在留証明書も必要。サイン証明書と同時に取得を
  • 銀行・証券は各機関の内部ルールで手続きが変わることがある
  • サイン証明書は複数枚まとめて取得しておく

煩雑に見えますが、手順がわかれば着実に進めることができます。海外在住の相続人がいてどこから手をつければいいかわからない、という場合も、段取りはこちらで組みます。まずご連絡ください。


相続をおわりに。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

📞 電話:0120-542-184(平日9:00〜18:00)
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蟹江町で相続のことなら、蟹江町在住司法書士の私、尾張がすぐに対応いたします。


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【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業では
ない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。

最終更新:2026年5月28日

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