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おわりのひとくちメモ おわりのひとくちメモ
2026.05.27 7.遺言

子も兄弟もいない——亡くなった後の財産はどうなる?国庫帰属の流れと遺言書のすすめ

子も兄弟もいない——亡くなった後の財産はどうなる?国庫帰属の流れと遺言書のすすめ

子も兄弟もいない——亡くなった後の財産はどうなる?国庫帰属の流れと遺言書のすすめ

「遺言書が必要な人って、どういう人ですか?」

相談会でよく聞かれます。答えは状況によって変わりますが、その中でも「ほぼ確実に必要」と言えるケースのひとつが、身寄りのない方です。

「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。

子もいない、兄弟姉妹もいない、親ももういない——そういう方が亡くなると、財産はどうなるか。「国に行く」とは聞いたことがある方も多いと思いますが、実際の流れはあまり知られていません。整理します。


目次

  1. 身寄りのない方が亡くなると——財産は国に帰属する
  2. 相続財産清算人が選任されてから、国庫帰属までの流れ
  3. 「いとこが全部やってくれる」——でも財産は渡せない
  4. それでいいですか?——遺言書を書く理由はここにある
  5. まとめ

身寄りのない方が亡くなると——財産は国に帰属する

法定相続人には順位があります。

  • 第1順位:子(子が先に亡くなっていれば孫・ひ孫)
  • 第2順位:父母・祖父母
  • 第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっていれば甥・姪)

これ以上の範囲に、法定相続人はいません。 いとこ、はとこ——どれだけ近くに住んでいても、日常的に行き来があっても、法律上の相続人ではありません。

子も兄弟姉妹も親もいない方が亡くなった場合、法定相続人は誰もいません。この場合、財産は最終的に国に帰属します。


相続財産清算人が選任されてから、国庫帰属までの流れ

ただし、亡くなってすぐに国に入るわけではありません。手続きがあります。

① 相続財産法人の成立

相続人がいないことが明らかになると、その方の財産は「相続財産法人」として扱われます。

民法第951条
「相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。」

財産がひとつの「法人」として独立し、管理・処分の手続きに入ります。

② 相続財産清算人の選任

家庭裁判所が相続財産清算人を選任します(民法第952条)。弁護士や司法書士が選ばれることが多く、この方が亡くなった方の財産(不動産・預貯金・証券など)を管理します。

③ 官報への公告(3段階)

相続財産清算人が選任されると、官報に公告が掲載されます。官報というのは国が発行する機関紙のことです。

まず「相続人がいませんか?」という公告。次に「この方に対して借金を持っている方はいませんか?」という債権者への公告。そして「この方と生前に特別な縁があった方はいませんか?」という特別縁故者への公告。

官報を普段から読んでいる方はほとんどいないと思いますが、法律上はこの手続きを経ることが定められています。

④ 特別縁故者への財産分与

「生前に特に親しかった」「療養や看護をしていた」という方は、家庭裁判所に申し立てることで財産の分与を受けられる可能性があります(民法第958条の2)。ただし申立期間は限られています。

⑤ 残った財産が国庫へ

これらの手続きをすべて経て、残った財産が国庫に帰属します。


「いとこが全部やってくれる」——でも財産は渡せない

こういう方がいらっしゃいました。

子も兄弟姉妹もいない方で、「いとこがいて、私が亡くなった後の手続きは全部やってくれるって言ってくれてるから安心してるのよ」とおっしゃっていました。

気持ちはよくわかります。でも、ここに落とし穴があります。

いとこは法定相続人ではありません。

手続きを全部やってくれる——その気持ちは本当にありがたい。でも、いとこには財産を受け取る権利がありません。手間だけかけてもらって、財産は1円も渡せない、という状況になります。

遺言書があれば変わります。「全財産を○○(いとこ)に遺贈する」と書いておけば、いとこに財産を渡すことができます。手間をかけてもらう分、せめてその気持ちを形にしておく——遺言書はそのための道具です。

なお、亡くなった後の手続き全般(葬儀・死亡届・不動産の片付けなど)を専門家に依頼する「死後事務委任契約」という選択肢もあります。遺言書と組み合わせておくと、財産の行き先と手続きの両方が整います。


それでいいですか?——遺言書を書く理由はここにある

「自分が死んだ後のことは知らない」という方もいらっしゃいます。それはそれで、ひとつの考え方です。

一方で、「お世話になった人に少しでも残したい」「国に行くくらいなら、縁のある団体に寄付したい」という方もいらっしゃいます。

私、尾張が担当したケースでも、「甥・姪にあたる人たちに渡したい」「長年お世話になった知人に渡したい」という遺言書を作成した方がいらっしゃいます。法定相続人以外の人でも、遺言書に書けば財産を渡せます。団体・自治体・福祉機関への寄付も、遺言書で指定できます。

「国に帰属する」という結果でいいなら、遺言書は必要ありません。
そうでないなら、遺言書を書いておく必要があります。

「自分の場合はどうなるんだろう」と気になった方は、まずご相談ください。状況を確認した上で、何が必要かをお伝えします。


まとめ

  • 法定相続人は第3順位(兄弟姉妹・甥姪)まで。いとこ・はとこは含まれない
  • 相続人が誰もいない場合、財産は最終的に国庫に帰属する
  • 手続きの流れ:相続財産法人の成立 → 相続財産清算人の選任 → 官報公告 → 国庫帰属
  • 手続きを任せる人がいても、遺言書がなければ財産を渡せない
  • 「国に帰属してもいい」ならOK。そうでなければ遺言書を書く
  • 法定相続人以外の人・団体への遺贈も、遺言書で指定できる

相続をおわりに。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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蟹江町で相続のことなら、蟹江町在住司法書士の私、尾張がすぐに対応いたします。


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【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業ではない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。

最終更新:2026年5月27日

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