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2026.04.07 その他

法定相続人とは?範囲・順位・相続分をわかりやすく解説

法定相続人とは?範囲・順位・相続分をわかりやすく解説

「相続人って、家族全員がなるんじゃないの?」——そう思っている方は少なくありません。

「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。

実は、誰が相続人になるかは民法で決まっています。
遺言書がない場合、この「法定相続人」が財産を受け継ぎます。
手続きを始める前に、まず「誰が相続人なのか」を正確に把握しておきましょう。


目次

  1. 法定相続人とは
  2. 配偶者は常に相続人になる
  3. 血族相続人には「順位」がある
  4. 代襲相続——先に亡くなっていた場合
  5. 法定相続分——何割もらえるか
  6. よくある誤解・注意点
  7. まとめ

法定相続人とは

法定相続人とは、民法の規定によって相続権を持つ人のことです。

遺言書がない場合、故人の財産は法定相続人が引き継ぎます。
法定相続人には「配偶者」と「血族(血のつながりのある親族)」の2種類があり、
それぞれルールが異なります。


配偶者は常に相続人になる

故人に配偶者(妻・夫)がいる場合、配偶者は常に法定相続人になります(民法第890条)。
他の相続人がいるかどうかに関係なく、必ず相続人の一人になります。

ただし、ここでいう「配偶者」は法律上の婚姻関係にある人に限られます。
内縁関係(事実婚)のパートナーは、法定相続人にはなりません。


血族相続人には「順位」がある

配偶者以外の血族には、相続する順番(順位)が定められています。
上の順位の人がいる場合、下の順位の人は相続人になりません。

順位 相続人 根拠条文
第1順位 子(および代襲者) 民法第887条
第2順位 直系尊属(父母・祖父母など) 民法第889条第1項第1号
第3順位 兄弟姉妹(および代襲者) 民法第889条第1項第2号

第1順位:子

子どもがいる場合、子が最優先で相続人になります。
子どもが複数いる場合は、全員が相続人になります。

養子縁組した子も、実子と同じ扱いです(民法第727条)。
前婚の子や、婚姻関係外で生まれた子(非嫡出子)も、
認知されていれば同様に相続人になります(民法第887条・第900条第4号)。

第2順位:直系尊属(父母・祖父母)

子どもがいない場合、故人の父母や祖父母が相続人になります。
父母と祖父母が両方いる場合は、より近い世代(父母)が優先されます。

第3順位:兄弟姉妹

子どもも直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が複数いる場合は、全員が相続人になります。


代襲相続——先に亡くなっていた場合

本来の相続人が、故人より先に亡くなっていた場合、
その子が代わりに相続します。これを代襲相続といいます。

子が先に亡くなっていた場合

子が先に死亡していた場合、その子(故人から見て孫)が代わりに相続します(民法第887条第2項)。
孫も亡くなっていた場合は、ひ孫が相続します(同条第3項)。
直系卑属については、何代でも代襲が続きます。

兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合

兄弟姉妹が先に死亡していた場合、その子(故人から見て甥・姪)が代わりに相続します(民法第889条第2項)。
ただし代襲は甥・姪の一代限りで、甥・姪の子どもへはつながりません。

→ 代襲相続と数次相続の違い・相続分の計算例など詳しくは代襲相続とは——相続人が先に亡くなっていたとき、権利はどこへいく?をご覧ください。


法定相続分——何割もらえるか

相続人の組み合わせによって、それぞれの取り分(法定相続分)が決まります(民法第900条)。

相続人の組み合わせ 配偶者 血族相続人
配偶者+子 1/2 子全員で1/2を均等に分割
配偶者+直系尊属 2/3 直系尊属全員で1/3を均等に分割
配偶者+兄弟姉妹 3/4 兄弟姉妹全員で1/4を均等に分割
子のみ 全員で均等に分割

法定相続分はあくまで「目安」です。
相続人全員の合意があれば、この割合と異なる分け方も可能です。

→ 遺産の分け方の詳細はこちらの記事で解説しています。


よくある誤解・注意点

「配偶者に全部いく」「長男が多め」「嫁に行った娘は関係ない」

相続の相談をしていると、こういった思い込みを持っている方によく会います。

「夫が死んだら全部妻のものになる」

配偶者は相続人ですが、子どもも相続人です。
子どもがいる場合、法律上は配偶者と子どもが共に相続人となります。
「配偶者に全部」が通るのは、全員が納得して合意した場合だけです。

「長男だから多くもらえる(全部もらえる)」

現在の民法では、子どもの相続分は原則として均等です(民法第900条第4号)。
長男・次男・長女といった順番は、相続分に影響しません。

「嫁に行った娘は相続に関係ない」

婚姻によって相続権が失われることはありません。
結婚して他家の姓を名乗っていても、子どもであれば相続人としての地位はそのままです。

「前婚の子は関係ない」は誤り

再婚している場合、前婚の子も当然に法定相続人です。
現在の配偶者の子と同じ第1順位で、同じ相続分を持ちます。
「もう関係が切れている」と思っていても、法律上の相続権は消えません。

「内縁のパートナーには財産を渡せない」

法律上の婚姻関係がなければ、内縁のパートナーには相続権がありません。
財産を渡したい場合は、遺言書による遺贈か、生前贈与が必要です。

相続欠格・廃除

相続人であっても、一定の事情がある場合は相続権を失うことがあります。

  • 相続欠格(民法第891条):故意に被相続人を死亡させた、遺言書を偽造・隠滅したなど、法律で定める行為をした場合に当然に相続権を失う制度。
  • 廃除(民法第892条):被相続人が家庭裁判所に申し立てることで、著しい非行のある推定相続人の相続権を剥奪できる制度。

いずれも通常の相続では関係のないケースがほとんどですが、制度として存在します。


まとめ

相続人の種類 ポイント
配偶者 常に相続人。内縁は含まない
子(第1順位) 養子・非嫡出子も含む。前婚の子も当然相続人
直系尊属(第2順位) 子がいない場合のみ
兄弟姉妹(第3順位) 子も直系尊属もいない場合のみ
代襲相続 先に亡くなっていた場合、その子が代わりに相続

法定相続人の範囲と順位を正確に把握することが、すべての相続手続きの出発点です。


なお、この「法律どおりの相続」が自分の希望と異なる場合——
たとえば「前婚の子には渡したくない」「内縁のパートナーに財産を残したい」
「子どもに均等に分けたくない」——
そういったケースでは、遺言書を作成することで変えることができます。

「自分には遺言書が必要かな?」と感じた方は、まずご相談ください。


相続をおわりに。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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蟹江町で相続のことなら、蟹江町在住司法書士の私、尾張がすぐに対応いたします。


【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業ではない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。

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参考

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