蟹江小学校で出張授業——司法書士を知ってる小学生はゼロでした
先日、蟹江小学校の5年生のみなさんに、「司法書士のお仕事」を紹介するミニ授業をしてきました。
「相続をおわりに。」司法書士の尾張です。
いつもは相続や遺言の解説記事ばかりですが、今回は完全に番外編。地元の小学校で味わった、うれしさ半分・ちょっぴりへこみ半分の一日をご報告します。
目次
- きっかけはPTAのご依頼でした
- 「あの看板、見たことある人?」——まさかの3割
- 民法クイズで教室がザワザワ
- 不動産クイズは、まさかのほぼ全員正解
- 子どもたちに一番伝えたかったこと
- まとめ——大人のみなさんへ

きっかけはPTAのご依頼でした
今回の授業は、PTAの方からの「お仕事紹介をしてもらえませんか」というご依頼がきっかけです。
当事務所のメイン業務は相続と遺言。ただ、さすがに小学生に相続の話は馴染みがなさすぎるだろうと。そこで当日は、法律の基本である民法と、司法書士のもうひとつの本業・不動産登記(不動産の名義の記録を書き換える手続き)を題材にお話ししてきました。
「あの看板、見たことある人?」——まさかの3割
授業の最初に、聞いてみたかったことがありました。
蟹江町内に出している、当事務所の「蟹江 相続 おわり」の看板。「この看板、見たことある人〜?」と聞いてみたところ——なんと、約3割の子が手を挙げてくれました。
看板って、ちゃんと見てもらえてるんだ!と正直びっくり。出した本人が一番驚いていました。
気を良くして、続けてもうひとつ。「じゃあ、司法書士って知ってる人〜?」
……反応、ゼロ。一人もいませんでした。やっぱり看板、意味ない……?
というわけで(気を取り直して)、司法書士のお仕事紹介のスタートです。
民法クイズで教室がザワザワ
司法書士は、法律を使ってみんなの生活や権利を守る仕事です。普段は意識しなくても、実はみんなの毎日も法律のルールで動いているんだよ——という導入から、民法クイズを出しました。
第1問:お店でお菓子を買ったとき、いつの時点でそのお菓子は「あなたのもの」になるでしょうか?
- A. 「これください」と言って、お店の人が「いいよ」と言った時
- B. レジでお金を払った時
- C. お菓子に自分の名前を書いた時
子どもたちの答えは、ほぼ全員が「B. お金を払った時」。
ところが正解はAです。売買契約は「売ります」「買います」の合意があった時点で成立し、所有権も原則そのときに移ります(民法第555条)。お金を払う前でも、約束が成立すればもう「あなたのもの」なんです。
これには教室がザワザワ。大人でも意外に感じる方が多い、定番の論点です。
不動産クイズは、まさかのほぼ全員正解
続いて第2問。「何千万円もする『お家』は、いつから自分のものだと言えるでしょうか?」
- A. 「ください」と言って、売る人が「いいよ」と言った時
- B. お金を全額払った時
- C. 不動産に自分の名義を書く手続きをした時
こちらは一転、だいたいの子が「C. 名義の手続きをした時」で正解。高額だから普通の買い物とは違うと考えたのか、それとも「さっきと似た問題が出たってことは答えが違うはず」というメタ読みか——どちらにしても鋭い。
不動産は、登記(国の帳簿に名義を記録する手続き)をしなければ、第三者に「自分のものだ」と主張できません(民法第177条)。日本中のすべての土地・建物にこの記録=登記簿があって、実は蟹江小学校の校舎や土地にもあります。当日は、実際の蟹江小学校の登記記録の一部も見てもらいました。自分の学校の「名簿」が出てくると、ぐっと身近になりますね。
子どもたちに一番伝えたかったこと
クイズの締めくくりに、こんな話をしました。
世の中は法律で動いていて、「知らなかった」では通らないし、知らないと損をしてしまうこともある。
でも、だからといって、大人がみんな法律を全部知っているわけではありません。私、尾張は法律のことは知っていますが、学校の先生のように勉強を教えることはできません。学校の先生も、法律のすべてに詳しいわけではありません。全部を一人で知っておく必要はないんです。
大事なのは、困ったこと・解決したいことがあるときに、頼れる先・頼れる人を知っておくこと。大人の社会は、そうやってそれぞれの得意なことで支え合って回っています。
「君たちも、将来俺が何かで困ったら助けてくれよな!」
——というところで、授業はおしまい。楽しい時間をありがとうございました。
まとめ——大人のみなさんへ
- 「蟹江 相続 おわり」の看板、小学5年生の3割が見てくれていました(司法書士の知名度はゼロでしたが……伸びしろです)
- お菓子は「合意した時」、お家は「登記した時」。名義の記録=登記は、それくらい大事なルールです
- 全部を知っている必要はなく、困ったときに頼れる先を知っておくことが大事。これは大人の相続もまったく同じです
ちなみに「名義の書き換え」の大切さは、子ども向けの話にとどまりません。相続した不動産の名義変更(相続登記)は2024年4月から義務化されています。詳しくは相続登記の義務化の記事を、「どの専門家に相談すればいいの?」は相談先の使い分けの記事をどうぞ。
相続をおわりに。
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蟹江町で相続のことなら、蟹江町在住司法書士の私、尾張がすぐに対応いたします。
【執筆者】
司法書士尾張由晃 司法書士法人せと事務所代表
愛知県司法書士会 登録番号:第1981号
蟹江町在住、実務歴10年以上。同じ地元民として、単なる事務作業では
ない「生涯に寄り添うサポート」をお約束します。
参考リンク
最終更新日:2026年7月29日
