そうめんは茹で過ぎたくらいが美味しいと老舗料亭の若旦那が言ったらどうする?

公開日: 23:14 おもしろ やってみた

ほぼ日刊イトイ新聞の「おいしいお店とのつきあい方」という連載がスキで読んでいる。


筆者の楽しく外食を楽しむ様子が非常に愉快だし、食べ物の描写が美味しそうで読んでいるだけでお腹が減ってくる。


でも、お話の中に出てくるのは高級料亭とかニューヨークとかで、食べてみたい…。と思ってもちょっと敷居が高い。


そんななか、老舗料亭のそうめんの茹で方の話が出てきた。この話によると、麺自体はなんでもいいと書いてある。しかも、麺が美味いらしい。



ビックリしました。今まで食べたコトがなかったそうめんの味。味というより、食感がネットリ、まるで舌にまとわりつくようで色気を感じる。のどごしなめらか。何より小麦の香りがフワッと鼻からぬけて、タレとのからみもとてもいい。
ほぼ日刊イトイ新聞 おいしいお店との付き合い方 たのしく味わう その15 より


色気、色気ってアンタ!

食道楽の方がそこまでいうって凄くない?食べたい、食べたい。しかもそうめん自体はなんでもいいっていうんだから自分でも試せるじゃん。

やってみよう。





・茹で過ぎくらいに茹でるらしい


先ほどの連載の中に作り方も書いてある。その部分も引用しよう。



サカキさんは、そうめんを1分、2分しか茹でないんじゃないですか?って、聞くから、ええ。固めに茹でた方がコシがあっておいしいですから‥‥、とボクは答える。
これは4分、茹でてます。
なんとビックリ。倍以上。
ほぼ日刊イトイ新聞 おいしいお店との付き合い方 たのしく味わう その15 より



4分、4分茹でるらしい。


公式の説明でも茹で時間は1分半から2分


自分よりも2倍も茹でるらしい、意外!とかいうレベルではなく、公式のおすすめレシピの2倍。

なんてこった!



4分茹でると麺は膨れてクタクタになる。
ザルにとった瞬間は、
どうにもこれは食べられないなぁ‥‥、
って思うくらいにヌルヌルします。
それを氷をタップリ入れた水につけたらガシガシ洗う。
両手つかんで、揉むようにして洗っていると
クタクタしていた麺がキリッとしまってくるんです。
中までしっかり熱が入って、水をタップリ吸い込んだ麺。
乾燥されて乾いた麺が、
みずみずしさを取り戻すには時間をかけて茹でなくちゃ。
そもそも麺は、水を食べる料理なんです。
中に芯が残った状態をよろこぶ人もいるけれど、
そうめんに限って言えばそれは生煮え。
ほぼ日刊イトイ新聞 おいしいお店との付き合い方 たのしく味わう その15 より



メッチャ茹でる理由もメッチャ美味そうに説明されてる…。


なんだこれかっこいい美味そう。


やるしかないのでは?????




・普通のそうめんとも比べないとね



素材も調理法もわかっているのだからやるしかない。


揖保乃糸への絶対的な信頼感

上記の記事ではそうめんはなんでもいい。と書かれていたが、今回は揖保乃糸を使う。




そうめんって麺つゆを味わう食べ物で、麺自体はなんでも大差ない。と思っていて、安いそうめんを買ってみるとビックリするくらいまずくてビックリする。という経験があるので、そうめんを買う際は必ず揖保乃糸よりも上の価格帯のものを買うと決めている。


そこで今回は安定の揖保乃糸。




茹でてるね。茹でてるわ。

それを茹でる。麺類茹でる指示を出す人は往々にして多めのお湯を求めるので多めのお湯で茹でる。


もうすぐ茹で上がる!早い!


今回は比較のため、一般的な茹で時間でも作ってみる。


今年初のそうめんで、久しぶりに作ったけれど一分半って超短い。お湯に入れて一息ついたらもうすぐ茹で上がりだ。


そうめんって、調理時間短いし夏に最適かもしれない。


衝撃的に手が冷たい。罰ゲームかよ。



茹で上がったら水で洗って、冷水で締める。完全に正解の作り方に思える。すごく順調である。


今まで通りにそうめんが出来た。

そうめんがバッチリ出来上がった。調理時間、お湯に投入からちょうど四分位。

4分…、おっ茹で過ぎそうめんが出来上がるぞ!






・これ、茹ですぎてない?


全然違くない?

4分茹でたものをザルに上げる。すごい、プヨップヨだ。色味が全然違う。


茹で上げは「食べられないなぁ」っていう感想の通り。しかし、これはほんとうに大丈夫なのだろうか。

ありったけの氷を投入

洗うとキリッと締まってくる、らしい。あるだけの氷を入れて、手の感覚が死ぬのを前提に揉む、洗う、ガッシガシやる。その結果。



どうだろうか



・薬味を使うとそうめんが美味い




さて実際に食べてみよう。


分かりやすく色が違う。

いつもどおりの茹で時間君の方には数分の待ち時間があったがそんなものを物ともしないくらいの差があった。




色が全然違う。

薬味を盛り付けると82倍位おいしそうになって良い。


写真撮るから…。と思って薬味を頑張って盛りつけたら、すごく美味そうになってビックリした。良くない?美味しそうじゃない?



美味い。

美味い。ジャキッジャキッと噛み切る食感が気持ちいい麺はいつもどおり美味いし、薬味を入れると美味い。



衝撃、そうめんは薬味を使うと何倍も美味くなる。こっちのほうが誰にでも当てはまって有意義な情報なのではないだろうか。


オススメは生姜とみょうがとネギだ。




・茹で過ぎて神に


充分というか、もうこれが一つの頂点だろう。という、いつもどおりのそうめんを食べたあとの茹で過ぎそうめん。もう、食べなくていいんじゃないかと思う。だって、茹で過ぎてるんでしょう?


おや、なにか神々しさを感じる。


茹で過ぎたそうめんと向かい合うと、先ほどとは違う透明感に驚く。白い…


初めて女優の小雪と出会った時を思い出す。そこに圧倒的な存在感はあるのに向こう側が透けて見えるかのような透明感…。なんだ、この神々しさは。すごいな小雪、会ってみたいわ。


うわぁ、ぴっかぴか、つやっつや…。

近づいてみると麺がピッカピカ光っていて、シズル感溢れる見た目。先ほどのそうめんとは一線を画す仕上がり。そうめんの仕上がりや、シズル感という言葉の廃れ方の速さには驚くばかりである。



ホントだ、ちがう魅力がある。

はぁっ、食べてみると先ほどとは全然違う。


前述のサカキシンイチロウさんの記述を再度引用しよう。


ビックリしました。今まで食べたコトがなかったそうめんの味。味というより、食感がネットリ、まるで舌にまとわりつくようで色気を感じる。のどごしなめらか。何より小麦の香りがフワッと鼻からぬけて、タレとのからみもとてもいい。ほぼ日刊イトイ新聞 おいしいお店との付き合い方 たのしく味わう その15 より



あっ、すごいな、この筆致。分かる。そういう感じする。茹で過ぎそうめん、そういう感じする!


引用部分ですでに存分に書き表されているんだけれど、せっかく食べたんだから私が感じた事を拙いなりに書き表すと、以下の様な感じ。


口に入れるとムニューっと表面が押しつぶされて、プリンッ!と切れる。そうめんが入ってきた時の印象を保ったまま口中に広がって、ツルンッと消えていく…。まるで「みずみずしさそのもの」を食べた様な心持ちだ。


美味い、先ほどのそうめんとは全くちがう美味さが引き出されている。


ただ、こっちのほうが飽きるのが早い。単品でこれだけいっぱい食べるとキツイけれども、他に食べ物があって、そうめんもあるよ!って場合にはこの仕上がりは、ぷわーっ!サイコーっ!ってなる。





・感想と、余る薬味のサイコーの消費方法



確かに茹で過ぎそうめんは美味かった。短時間茹ででも、長時間茹ででもどちらもそうめんの魅力であり、その懐の深さを知ることが出来てよかった。使い分けられるとすごく豊かになる。

そして、個人的には薬味の凄さを知りましたね…。薬味って美味いね。


薬味を使おうにもどうにも余って困るから、使ってなかったんだけれど、使った時の強さにビックリした。余った薬味のサイコーの使い道も見つけているので、これからの夏が楽しみである。



ネギ・生姜・春菊のみじん切りは、何にでもあう万能薬味
http://portal.nifty.com/kiji/140422163923_1.htm


この記事の春菊をみょうがに変えても超美味いので、いくらでも消費できる。


サイコーに美味いやつが後に残るのでサイコー



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