スーツ屋さんのパンツ三本目無料が不思議なのに合理的でおもしろい
何で三本目無料にしちゃうのか意味がわからなかった(https://www.aoki-style.com/campaign/bKX9より) |
スーツの量販店でパンツ(スラックス)を買った。なんと、三本買ったら三本目がタダになるという。
なにそれ、買う買う!一本買うなら三本買っちゃう!!だって、同じパンツじゃん、超得じゃん!と思って三本買った。
一本買ったら5800円だけど、三本目無料だと一本あたり3866円じゃん。完全に得。
はーっ、意味わからんけど得した感がすごい。なんか無料で貰えちゃった。
すごいな、いいのかな洋服屋さん。とか考えていたんだけれど、ちょっと考えるとこりゃあよく出来た仕組みだな…。と気がついた。
三本目無料とは、大盛り定食みたいなもんだった。
・パンツとはいくらなのか
モノには値段があるが、その値段がなんなのかザッというと、その商品そのものの原価と売るのに必要な経費、それに売った人の利益を残したのがモノの値段だ。
スーツの量販店なら仕入れが原価で経費は人件費とか、お家賃とか、宣伝広告費とか、輸送費とか、まぁ色々。
それをパンツ一本売れた時で表してみるとこういう感じになる。(パンツ三本目無料のお店の基準、パンツ一本5800円として)
パンツ一本売れた時の内訳 |
内訳はテキトーです。原価三割、人件費二割、経費三割、利益二割にしています。
利益二割もねーよ!とか色々あるかもしれませんがテキトーなのと、割合はそんなに重要じゃないのでテキトーにしてます。気になるようでしたらなんか、上手いこと教えてください。
パンツ一本でこれ、こんなもんなのか。いや、テキトーなのでこんなもんじゃないと思うんですけど、こんなもんの仮定です。
ならば、パンツ三本目無料で売るとどうなるか
・パンツ三本目無料マジック
5800円のパンツを三本買うと三本目が無料になる。なんと無茶なことを!と思うことの内訳を想像してみる。
パンツ三本売れて三本目無料の時の内訳 |
なんと、三本目無料にしたのにちゃんと利益がピッタリ三倍になっている!なんだこれは、魔法か。
複数本売れたらその分キッチリ原価は増える。でも、パンツ一本が二本になったからって人件費が二倍になるかってーと、全然変わらない。そのくらいの変化は吸収できる人の配置をしているのが普通だ。
家賃も広告費なども同じで、増えない。むしろ広告などは効率良くなって売れれば売れるほど比率が下がりそうである。
すごい、三本目無料にしてても、むしろ、してるからこそ多めにお金払って、得した気分で帰ってくれるし、企業としても利益が多い。サイコーだ、サイコー。
・三本目無料じゃなくて一本あたりを安くしたらどうか
一本5800円のパンツを三本目無料である、二本分の値段11600円で三本手に入るのだ。
ということは一本あたり3866円。そう考えると「初めっからその値段にしておいてくれよ」感があるが、それで考えると大変なことになる。
一本3866円で売っちゃうと一本だけ買われると-774円の赤字になっちゃう。
「一本あたり3866円を三本売った時」には「一本5800円を三回売った時」と同じ利益が出ていたのに「3866円で一本だけ」売っちゃうと744円の赤字となる。
なんなのこれ、一体どういうことなのか。まさにマジック感がすごい。
経済を学んでないので全然わからなくて不思議すぎるけれど、きっと、そんなにメチャクチャは間違ってない気はする。
・うどん屋でも完全に同じ
洋服屋さんでは買った分だけメッチャ得!みたいなことが少ないので「三本目無料!」とか言われると「!!?!!?」ってなるけれど、経済の仕組みってだいたいどこでも同じで、実はみんな似たようなことに遭遇している。ご飯屋さんだ。
うどん一玉360円、二倍になっても450円。 |
定食屋さんではご飯のみ大盛りっていうのが多いんだけれど、うどん屋さんだと700円のうどんが100円足して800円にすると量が二倍になる。ということがよくある。(上記写真はメッチャ安いですけれど)
これは、上記写真の個人店だけでなく「牛丼の吉野家」とか「オムライスのポムの樹」とか、大量な方が得。と言うのは一般的な原則でもある。
前述のスーツ屋さんとは違って、一人あたりの単価を上げるのは限界があるから、一人あたりの利益を確保したら後はボーナスステージ。みたいな考えなのか、二倍の料金を払わずとも二倍とかになることが多い。(居酒屋とか一品あたりでなく一人ありの目安客単価があるところは別)
パンツ三本目無料!という衝撃が意外と普通の生活で考えてみるとあんまり違和感なく感じられるようでおもしろいし、やっぱり飲食店では大盛りを頼むと得だな!!!!と思いました。これからもガンガン大盛りにしていきたいです!!!!!!!!!
痩せたい…。