餃子の水切りはした方がいいのかしないほうがいいのか
・結論から言ってみる
包んでからすぐに焼ける場合
ジューシーな物が好きならば「野菜の水切りはしない」
ジューシーさが見て取れる
包んでから焼くまでに時間がかかる場合
しっかりとした肉感が好きなならば「野菜の水切りはする」
しっかりとした肉の味がしますよ。
ということで、結論はすでに書きましたので過程を読みたい、理由を知りたい、蛇足が好きな方は以下の文章をどうぞ~
・餃子の水切りはするのかしないのかという定番対決
餃子は野菜料理だと思う。実際に作ってみると野菜の分量がすごく多くて、肉は味付けで肉の風味をまとった野菜を食べる料理である。
そんな料理だからこそ悩む部分が「野菜の水切り」だ。
野菜の水切りとは、サラダみたいに洗って水気をきるってものではなく、野菜に塩をかけて野菜自体の水分を減らしておくという手順。
ここに諸説あって、激論がかわされているポイント。
水切りしたほうが手間かけててちゃんと料理してる感あるし、だからこそ美味くなるハズ。という印象がある。
しかし、水切りしない派も根強くて野菜の旨味がどうこう…。みたいな主張ある。
さて一体どうなのか。いつも迷ってきたので実際に作り比べてみましたよ。
・水切りしよう
水切り前は200グラム
まずは時間のかかる水切りから手順を進める。具材は白菜とネギ。ニラが良かったんだけど売ってなかったのだ。
塩をしてしばらく放っておく。
ちなみに私は水切りする派。であった。手順として存在しているんだからやったほうがいいだろう。と思っている。
わかりづらいけどかなりしんなりしています。
しかし餃子のレシピで検索してみると水切りしない派の勢力も強いことを知った。自分がなぜ水切りをするのか。なんとなくではなく根拠を作って置きたいなと今回やってみた。
水気絞ったらこんなに少なくなっちゃった。
さて水切りは完了。早速餃子作成にかかりたい。
・第三の勢力が
と、水切りは完了したのだが、ここで作ってはならないことが判明した。いたのだ、水切りする、しないだけではない勢力が。
出汁はウェイパーを使いました(蓋だけでわかったあなたはウェイパァーだと知っているね。)。
それが「一旦水切りして、減った分をうまい汁吸わせる派」、勝手に名付けさせていただくと「濃縮還元派」だ。
凄くふっくらした感じになった。(水切りした分の半分なので元の重量に戻りました)
水切りよりも一歩進んだ手間のかけ具合。水切りした後に、取っておいた出汁を野菜に含ませる。もう無茶だ。野菜に対する暴力だ。
だがしかし試さぬわけにわけにはいかぬ…。これが一番美味かったら面倒だなぁ。と思いつつ、こんだけ手間かけたら美味かろうなぁ…という内心。
・さて作っていきましょう
絵面の汚さよ
ということで材料はひと通り揃ったので餃子化していきます。左下が水切りしないもの、上が水切りしたもの、右下が濃縮還元です。
それぞれ、肉と野菜の分量は1:1。もうちょっと野菜多いほうが好みなのですが計算が面倒だったので同量にしました。
ここまで来たら美味そうな雰囲気がするな。
味付けは醤油、オイスターソースに塩コショウ、食べるラー油少々。これを混ぜます。混ぜた後の脂の取れなさはガチ。お湯を使わなきゃ洗剤あっても無力。
予想以上の見た目の違い。
それぞれ混ぜ終わったらこういう感じ。左が水切りしてないもの、上が水切りしたもの。右が濃縮還元。
濃縮還元だけピンクにうっすらと光っているように見える。内容的には水抜きしてないものと同じ水分量のハズなのにかなりペチャペチャしている。
あーこれ、絶対違うわ。絶対味違う。ここに来て、やってみてよかったぜ。と思う。
・皮も作りました
みんなも、お家にある製麺機で作ってみてね!
最近は皮も自分で作っている。美味いから。
作りたての皮だと伸びるし包みやすいし市販のものより使いやすいということもある。なんでもいいから小麦粉に半分くらいの水入れてこねたら出来るので簡単。
四角でいいです。面倒なので。
とかいってたら250グラムで12枚の皮ができた。厚い。デカイ。
餃子6個でうどん一人前くらいの小麦粉の量。大変なことになってるけどまぁいい。
・でっかくなっちゃった
すごいデカイ。
そのデカイ皮で餡を包んだら相当でかい。これだけデカイと、もううれしい。うどん一人前以上の満腹感を与える餃子一人前である。
更にでっかくなっちゃった!
にそれを焼いたら更にでっかくなった。脅威のデカさだが周りの香りはもうすごいことになっているぞ。
・ぜんぜん違うぞ三種の餃子
餃子っぽくねぇ
さて焼きあがった三種の餃子。それぞれを食べ比べてみる。
ジューシーさなら「水切りしない」
こう置くと流石に餃子に見えるね。
ここまで長かったけれど、まずは水切りしていない餃子から。
持とうとしたらやぶけちゃ…、えっ!!!
水切りしていない餃子、皮が破れた瞬間に溢れる餃子液。なんだこれは、小籠包の様なジューシー加減。今までこんなことになったことなかったぞ、すごいぞこれ、なにこれすごい。
食べてみると、あれだけ液体が出て行ったにも関わらず噛むとジュワッとうまい汁が出てくる。そしてシャキッと気持ちいい野菜の歯ごたえ。すごい…、美味い…。
すごいぞ、水切りしていない餃子。いや、でも、今回がなんか凄く上手くいったという可能性もある。他も食べなければ。
・肉感強し「水切り餃子」
やはり家で作る餃子は美味い。うれしさに包まれながら「水切り餃子」にとりかかる。
あっ、あれっ。
水切り餃子もさぞ美味かろう。そう思いながら箸を入れると、さっきと印象がぜんぜん違う。汁が、出ない。
こうなったら力ずくだ
オイッ、出せよ!持ってんのはわかってんだぞ!という勢いで力押ししてみても餃子液は出てこない。こんな、こんなにも違うものなのか。
食べてみるとこっちはこっちで相当美味い。水分を減らしているので野菜の味が濃いのかとおもいきや、野菜が肉の旨みを吸っており、野菜も肉になっているのだ。
水切り餃子は肉だ。ぎゅっと詰まった塊は一口の満足感が高くて
、俺は、今、餃子を食べている!!という感覚。外食や買ってきた物と似たような印象。
水切りでこんなにも変わるものかと予想以上だ。
・完成度の高さよ「濃縮還元餃子」
こうなるとどうなるのか濃縮還元に期待が高まる。だってわざわざ出汁追加してるんだもんね、そりゃあねぇ。という目線。
ちょっと抑えてみちゃう
期待を込めて割ってみる、とスッ…。という感じで出てくる餃子汁。意外にもジューシーさは「水切りしない」もののほうが上である。
持つとやっぱりデカイな。
食べてみると前の二つとは全然違う。野菜と肉が完全に一体化しており餡として、餃子として美味い。
肉野菜の旨みがジューシーさを伴って渾然一体となって迫ってくる。完成度は「濃縮還元」が一番高い。手間をかけただけはある味になっていて、色々と納得出来る。
・なぜ水切りをするのか
私個人の好みだけで言えば水切りしていないものが一番だった(手間かからないし)。そして、今まで手間をかけてジューシーさを減らしてきたのか…。と思ってしまったという衝撃。
左下水切りなし、上水切り、右下濃縮還元
なぜ、なぜ私は水切りをしていたのか。と思いつつ、食べて一つ考えたことがある。
やっぱりそうだ。
確かめるためにそれぞれの餃子を作って一晩おいてみた。
それを触ると、また確かな違い。水切りしたものは皮がしっかりしていて扱いやすいけれど、それ以外の二つは皮が水分を吸ってしまって今にも破れそう。
プロは餃子を作ってすぐ食べる、という場合は少ない。作っておいておいて、注文があるごとに焼いていく。その点を考慮したら水切りしてないと使い物にならなくなっちゃうんだろう。
ということで個人的な結論として
・餃子を包んですぐに食べられるならば「水切りしない」
・包んでから焼くまでに間隔が開いてしまうのならば「水切りする」
となりました。手間も減ってジューシー化して個人的に凄く嬉しいです。ありがとうございました。